名誉棄損で損害賠償!? 東京福祉大学争議・・・その後

 交通ユニオン及び組合員・田嶋氏(東京福祉大学教授)は2016年3月1日、東京福祉大学元総長である中島恒雄氏より名誉棄損による損害賠償請求訴訟を起こされた。
  発端は、東京福祉大学伊勢崎キャンパス(群馬県伊勢崎市)において教授への嫌がらせ・人権侵害が行われており、被害を受けていた田嶋教授は2015年度の雇用契約について、以前よりも切り下げられていることに納得できず、大学を相手取って労働条件確認裁判を起こすとともに、ユニオンに加入したことから始まる。
  この間ユニオンとして、裁判を支援しながら大学との団体交渉や文部科学省への指導要請、大学門前での抗議行動を展開してきた。そうした中で大学側より労働条件について和解 
 案が提示され、内容に修正を加えて2016年3月29日、東京地裁において和解が成立した。
  この和解を受けて、並行して田嶋氏が提訴していた名誉棄損による損賠賠償請求訴訟は取り下げた。
  大学側は和解内容に従いこの一連の争議に関して、大学のホームページや教授会・全体ミーティングの場で一応は「遺憾の意」を表明しているが、経過の説明がされておらず、全体ミーティング等で本人が補足説明することを拒否したため形式的な謝罪にしかなっていない。
  そもそも東京福祉大学と田嶋氏との争議は、女性教職員に対するワイセツ行為で中島恒雄総長(当時)が実刑判決を受けるという教育者にあるまじき罪を犯しながら、出所後に大学 に復帰した中島氏からの理不尽な指示に従わなかった田嶋氏を排除するために、田嶋氏が「学生・院生にパワハラ・セクハラを行った」として解雇したこと、そして大学側が田嶋氏解雇撤回裁判で敗訴したにもかかわらず、職場復帰した田嶋氏の労働条件や処遇を切り下げたことに起因している。
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  上記和解を受けて、労働条件や処遇は改善されているが、専制的な大学運営は続いておりその背景に中島氏の存在も大きく影響しているのではないか。
 
田嶋組合員・交通ユニオンに対する報復的訴訟を糾弾する!!

 この和解成立前の2016年3月1日、東京福祉大学の元総長・中島恒雄氏は、ユニオン及び組合員・田嶋氏に対して名誉棄損を理由に5500万円の損害賠償請求訴訟を起こした。訴状が田嶋組合員及びユニオンに届いたのは4月5日、まさに3月29日の和解直後でありもっと早く知らせれていれば、大学側との和解も成立したかどうか・・・。
 訴状によれば田嶋組合員及び交通ユニオンは、田嶋氏のホームページにおいて「組合活動の一環」として中島恒雄氏の過去のワイセツ事件を記載したビラを掲載し、東京福祉大学でいまだに中島恒雄氏の裏支配が継続しているなど、事実に反する内容を記載するとともに、誤った認識によって訴訟を起こした。また、中島恒雄氏の過去の犯罪歴を公にしたことは、中島恒雄氏の社会的名誉を低下させ、更生を阻むもの・・・としている。
 しかし、中島恒雄氏が真に更生しているのかどうか極めて疑わしく、一連の争議に対する威圧としか受け取れない。大学側代理人によれば、この訴訟には「大学は一切関与していない」とのことだが、交通ユニオンとして、この損害賠償請求に断固として抗議し糾弾する。


東京福祉大学は団体交渉に応じろ!!労働委員会に不当労働行為救済を申し立て

 一方、2016年3月29日に和解した労働条件確認裁判の和解条項の中に、雇用契約案も盛り込まれており、裁判の和解を受けて同年4月20日、大学側との間でようやく今年度の雇用契約が成立し、秋学期から田嶋氏が担当する授業計画も確定していたが、大学側が一向に計画を策定しないためユニオンとして団体交渉の開催を求めた。
 しかし、大学側は「田嶋氏のホームページに過去の裁判内容等が記載されているのは和解条項に反するから交渉は延期する」との回答を行った。ユニオンは再度交渉の開催求めたが大学側の姿勢は変わらず、いっさい交渉に応じようとしていない。大学側の対応は「延期」という表現を使いながらも事実上の団体交渉拒否の不当労働行為であるとして同年10月6日、群馬県労働委員会に不当労働行為救済の申し立てを行った。
 同じく10月6日、大学側は田嶋氏に対して秋学期の授業は一切持たせないとの通告をしてきた。交渉に応じないのと同じく田嶋氏のホームページの内容を理由としているが、組合活動の一環として行っている田嶋氏のホームページの内容について、それを理由に授業を持たせないのは組合活動を行っていることへの不利益扱いであり断じて認められない。
 ユニオンは10月12日付で抗議文を大学側に送り、不利益扱いに対する抗議の意思を表明するとともに、雇用契約に基づき授業を持たせること、すみやかに団体交渉に応じることを求めた。

「一切の授業を持たせない!」大学から不当な通告

 2016年10月7日から秋学期の授業が始まるという10月6日の正午頃になって、田嶋氏は手島心理学部長と鶴心理学研究科長に呼ばれて、「明日からの授業はやってもらえなくなった」と手島心理学部長から告げられた。「理由は何ですか?」と尋ねても「わからない。伊藤事務局長にそう言われたのです」とのことで、秋学期の授業については、すでに数週間前から具体的な授業計画を、日程や具体的な分担、使う教科書に至るまで、手島心理学部長及び鶴心理学研究科長とともに立てていたにもかかわらず、いきなり「やってもらえなくなった」と言われたのである。
 この対応は田嶋氏と大学の間での2016年3月29日の合意に基づく平成28年4月20日付の雇用契約書に違反している。この雇用契約書では、「平成28年度秋学期から本人が受け持つ授業数を週4コマとする」とされているのである。 伊藤事務局長に電話で理由を尋ねたところ、「(田嶋が)ホームページに裁判の記事を載せているからです」と言われた。背景には元総長の指示があるとしか思えない。
 こうした大学側の対応に対してユニオンは11月15日、伊勢崎キャンパスにおいて抗議行動を取り組み、横断幕やメッセージボードでユニオンの訴えをアピールするとともに、大学に通う学生や近隣にチラシを配り東京福祉大学の実情を
訴えた。
 この行動に対して大学側は一般職員が行動の中止を通告するとともに行動への監視を行った。「上」からの指示でそうした対応を取らざるを得ない彼らは、私たちがどうして抗議行動を行っているか、その理由も知らないまま対応している。私たちは彼らがユニオンに加入し、大学の民主化や雇用の安定のためにともに起ちあがることを望んでいる。

新たな不当労働行為!!東京福祉大学は組合員への差別をやめろ!!

 東京福祉大学は、2017年3月に実施された2016年度卒業式及び全教員対象の研修会、そして同年4月7日に開催された2017年度入学式について、その事務連絡を田嶋組合員ほか1名に対して通知しないという、不当労働行為を行っていたことが明らかになった。
ユニオンからの口頭抗議に対して大学側(伊藤事務局長=当時)は、「手違いである」旨の回答を行っていたが、その後も何の連絡もなされなかった。並行して文書による抗議に対して大学側は「組合敵視しているというようなことはなく、こうした手違いがあったことは誠に遺憾」などと白々しい回答をしてきたが、教育機関としてあるまじき明らかな不当労働行為であり、断じて許されるものではない。

群馬県労働委員会が東京福祉大学の不当労働行為を認定!!

 大学側がユニオンからの団体交渉開催の申し入れを拒否し続けていた件で群馬県労働委員会は2017年4月7日、大学側の主張を退け不当労働行為を認め「団体交渉を拒否してはならない」との救済命令を下した。
 団体交渉「拒否」についてユニオンの主張が全面的に認められた勝利命令である。
 この救済命令を受けて、あらためて大学に団体交渉を申し入れ、5月26日に開催されたが、交渉の議題であった田嶋組合員に授業計画を持たせないことの是正及び教職員の無期雇用化について、折り合いがつかないまま決裂した。

引き続く組合員への差別!東京福祉大学は職員の声を聞け!

 上記で示したように一方的な理由で授業を持たせない大学の行為に対して田嶋組合員は、大学が設置している「ハラスメント防止・対策専門部会」に状況の改善を求めたが、これについても大学側は無視し続けており、申し立てから半年以上が経過してもなお、解決を行おうとしていない。
 田嶋組合員の退職までいたずらに引き延ばしを図ろうとしていることは明白であり、許されるものではない。

東京福祉大学では教職員の雇用が一年間の有期契約となっており、このような不安定雇用をはじめ様々な労働条件が改善されるよう求めていく。
東京福祉大学で働く皆さん!交通ユニオンに結集し安心して働ける職場づくりを目指しましょう!

東京地裁の不当判決を糾弾する!!

 東京福祉大学元総長・中島恒雄氏による当ユニオン並びに田嶋組合員に対する損害賠償請求訴訟の判決言い渡しが2017年12月15日、東京地裁第530号法廷で行われた。
 結果から言えば被告にされた私たちに対して「88万円を支払え」という、一部であるにしても名誉棄損・プライバシー侵害を認めたものとなっている。
 判決文によれば、中島恒雄氏の刑事事件に関する判決文等をホームページに掲載したことは「原告による大学の運営に対する影響力の行使の不当性を明らかにするためには、前科について言及する必要があった」「原告の大学に対する不当な影響力の行使を排除するという公益目的からすれば、原告は前科を公表されることについて甘受すべき立場にあり」「前科の公表自体がプライバシーを侵害するということはできない」としながらも、「判決文の掲載は必要な範囲を超えるものとして、正当性を認めることはできない」「原告の社会的評価が低下し、精神的苦痛が生じた」としている。
 中島恒雄氏の前科の公表は認めつつも「必要な範囲を超えている」として原告の主張を認めているのである。
 この東京地裁の判断は、労働組合の活動に対して経営者が損害賠償を求めれば、それを認めるという極めて許し難い判決である。スラップ訴訟は労働組合の活動の委縮を狙うものであり許せるものではないが、経営者の主張を受け入れ労働組合の活動を制限させる裁判所の判断も当然許せるものではない。
 判決言い渡しの当日、原告側は中島恒雄氏だけでなく、代理人すらも出席しないという不遜な態度を見せた。私たちは、控訴を前提に弁護団との協議を進めていく。

東京地裁判決に対する声明こちら

控訴審(東京高裁)でも不当判決!

 東京地裁の不当判決に対して、私たちは控訴して闘うことを決定し、12月27日に東京高裁に控訴した。
 控訴審では2度の口頭弁論期日をもって結審し、9月13日に判決が言い渡された。判決内容は中島恒雄氏が主張し、1審判決で認定された名誉棄損については取り消し、プライバシー侵害についてのみ認め、33万円の賠償金支払いを命じるものであった。
判決後の記者会見 名誉棄損について認定しなかったことは評価できるが、プライバシー侵害を認定したことは承服できるものではなく、このような判決を出した東京高裁の判断に対して、抗議の意を表明するとともに、今後も闘いを続けていくことを明らかにするものである。
 正当な労働組合活動に対して、報復と活動の委縮を狙ったスラップ訴訟など、断じて認められるものではない。
 
東京高裁判決に対する声明こちら

 一方、田嶋組合員に対する大学からの人権侵害とも言える不利益扱いについて、大学が設置した「ハラスメント防止・対策専門部会」に告発・相談のメールを送るも、2年近くも放置し何ら対策を行わなかったことと、田嶋組合員に授業をさせなかったことについて、その損害賠償を求めて控訴審判決が出された9月13日、東京地裁に提訴した。
 そして、中島恒雄氏から提訴された損害賠償請求での東京高裁判決には到底承服できるものではなく、11月22日に最高裁に上告し、闘いを継続している。

学生から大きな反響
 2018年10月10日に取り組まれた東京総行動では、中島恒雄元総長によるスラップ訴訟との法廷闘争や大学の運営や授業にに関与し始めている中島恒雄元総長について、黙認している大学の責任を追及して、同大学池袋キャンパス前で行動を取り組んだ。
 前回の行動では「研修会」の名の下に教員を伊勢崎キャンパスに集め、授業も行われなかったため宣伝効果はあまり期待できなかった。しかし、今回は通常の講義も行われていたため、多くの学生にチラシを受け取ってもらうことができた。
 その効果は大きく、カリキュラムが勝手に変えられていること等に対する学生の不満・怒りがSNSでも拡がっている模様である。
 交通ユニオンにも関心を示すメールが届いており、この問題に関する関心の高さがうかがえる。
 
 池袋キャンパスでのチラシ配布はSNSを通じて東京福祉大学の学生に拡がり、伊勢崎キャンパスでのチラシ配布を求める声が上がってきたほか「本日も元総長が授業を妨害してきました。部外者は学校の敷地内に入ることができないはずなのになぜ授業を妨害してくるのでしょうか。これから就職をするにあたって、東京福祉大学という名前が不利になるのかと不安な気持ちが大きいです。妨害の内容として、授業の監視及び指導がありました。 田嶋様の処分については本当に強い憤りを感じております。」とのメールも送られてきている。

 私たちはこうした声に対して11月14日、伊勢崎キャンパスでのチラシ配布を取り組んだ。
 また、11月20日に開かれた東京地裁における損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論では、田嶋組合員が意見陳述を行った。そして、傍聴席には東京福祉大学の学生さんの姿も見え、中島恒雄氏の不当な関与とそれを黙認している東京福祉大学の運営に対する関心の高まりがうかがえる。

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